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『源平の怨霊 小余綾俊輔の最終講義』
1月14日に、講談社文庫より、
『源平の怨霊――小余綾俊輔の最終講義』
が上梓されました。
こちらは2019年にハードカバーで出版されていますので、
ご存知の方も多いでしょうから手短かに。
この作品の大きなテーマは、
「何故、池禅尼が自分の命を賭してまで、
幼い頼朝の命乞いをしたのか?」
「怨霊になっているはずの義経が、
何故、きちんと祀られていないのか」
ということです。
この「源平合戦」は、
実にさまざまな謎で埋め尽くされています。
そもそもの根元的な話、当時は酷い泥湿地帯だった鎌倉に、
何故、頼朝が居を構え、やがて幕府を開いたのか?
また、どう考えても地理的・物理的・時間的に不可能だった、
一の谷・鵯越の坂落としが、
何故、義経によってあたかも成功したかのように
言い伝えられてきているのか?
更に、壇ノ浦で二位尼・時子は、
何故、安徳天皇や「三種の神器」と共に入水したのか。
本来は――全く難しいことでも何でもなく――
天皇の命も神器も無事だったはず。
しかし、彼女にそれができなかった理由は?
その他にも、数多くの謎が存在しているのですが、
これらの謎は、たった1つの理由によって、全て氷解します。
そして、いわゆる「源平合戦」は、
実は「無かった」のだという事実も、浮かび上がってくるのです。
巻末の大矢博子さんの解説も、
実に、正鵠を射ていて素晴らしいです。
ぼくも「まさにその通りだ」と感動してしまいました(笑)
この解説だけでも(?)一読の価値はありますので、ぜひ。
例によって皆さまも主人公たちと一緒に、
鎌倉の謎にチャレンジしていただければ、幸いです。
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新年のご挨拶
新年明けましておめでとうございます。
初詣の祈願は、コロナ終息の一択でしょうか。
今年一年、皆さまの無病息災を願い上げます。
そんな中、早速ですが今年前半の出版予定のご報告です。
まずは、
1月14日:『源平の怨霊――小余綾俊輔の最終講義』(講談社文庫)
こちらに関しては、後ほど講談社「tree」に
エッセイを寄稿させていただきます。
2月14日:『読んで旅する鎌倉時代』(講談社文庫)に
「修禅寺の鬼」で参加。
初めての「歴史小説・時代物」です。
発売予定日は平将門公の命日なのですが(笑)
源氏に関する、例によって例の話です。
3月中旬:『QED 神鹿(しんろく)の棺』(講談社ノベルス)
こちらは、祝「講談社ノベルス四十周年記念」作となります。
今回、桑原崇たちが訪れるのは常陸国――茨城県です。
その地で彼らは、今まで(なぜか)誰も言及してこなかった、
とんでもない歴史を発見します。作者もびっくりです(?)
更に、ちょっとした「オマケ」もつきます。
ぜひお楽しみに。
5月中旬:『鬼統べる国、大和出雲――古事記異聞』(講談社文庫)
「古事記異聞・出雲編」の完結編です。
続いて今年は、いよいよ「伊勢編」に突入します。
また、今年後半頃には単発書き下ろしも予定しています。
(あくまでも予定です!)
と……色々とありますが、
懲りずに今年もよろしくお願いします。