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『QED 優曇華の時』
8年ぶりの「QED」長編となりました。
今回は信州・北アルプス山麓、安曇野です。
その地に建つ「日本アルプスの総鎮守」
信濃国三之宮・穂高神社に絡んでの話です。
古い歴史を持つこの神社では「御船祭」と呼ばれる、
穂高最大の例大祭が執り行われるのですが、
北アルプス山麓なのに何故「御船祭」なのか?
その理由は、この神社創立には、
古代日本を代表する「海神」「海人」である、
「安曇族」が関わっているためといいます。
では、どうして「海人」である彼らが
遥々と信州の地までやって来たのでしょうか。
いや、それ以前に、
なぜ「安曇」と書いて「あずみ」と読むのでしょう?
「安」の「あ」はともかく、
「曇」はあくまでも「くもる」「ドン」「タン」で、
どうやっても「ずみ」とは読めません。
それなのに「安曇」が「あずみ」??
不思議に感じて色々な方にお尋ねしたのですが、
「昔からそうだった」という以上の回答は、
結局得られませんでした。
そうであれば、その理由は……
という謎にも桑原崇が挑みます。
また今回、崇と奈々が出かける先は山梨県石和。
鵜飼見物です。
この「鵜」も不思議な鳥で、
国歌「君が代」の二番の歌詞にも登場していますし、
この羽で産屋の屋根を葺き終える前に
誕生されたという「ウガヤフキアエズ」命は、
わが国の初代天皇・神武の父神です。
更に、人々が正しい信心に目覚めるならば、
「真鳥(まとり)」である「鵜」が、
この世に姿を表すであろう、ともいわれてきました。
それほどまでに立派な「鵜」とは、
一体「何もの」なのでしょう?
こちらに関しては、
崇が最後の最後に秘密を解き明かしますので、
ラストまでお楽しみに。
そして肝心の(!)メインテーマは、
先程来の「安曇」「綿津見」「宗像」「住吉」など、
海人族と「隼人」たちです。
特に隼人たちは実に凄惨な歴史を紡ぎ、
辛酸を嘗めさせられてきました。
そしてそれは、現代までも繋がっています。
「歴史」はその場限りの断片ではないからです。
皆さまも彼ら「海神」の慟哭に耳を傾けていただき、
崇たちと共に歴史の旅にご一緒していただければ、
これ以上の幸せはありません。
ではでは、よろしくお願いします。