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『QED 源氏の神霊』
3月19日に講談社ノベルスより
『QED 源氏の神霊』が上梓されました。
タイトル通り、源平合戦がテーマになります。
以前に、小余綾俊輔を主人公とする
『源平の怨霊』を上梓しましたが、
そこではとても書ききれなかったことや、
後から指摘された点に関しての(個人的な)解釈や、
また更に、新たな発見などなどがあったので、
今回は崇と奈々、そして新婚ホヤホヤの小松崎に、
源平の謎にチャレンジしてもらいました。
前回は「池禅尼の、不可解な頼朝助命嘆願」を
追いましたが、
今回は「源頼政の、不可解な77歳の挙兵」が
メインテーマになります。
源頼政って誰?
と思われた方もいらっしゃるでしょうが、
二度にわたる鵺退治で、名刀・獅子王を拝領し、
その後、以仁王の令旨に応えて、
何と77歳にして打倒平家のために挙兵し、
本人は、敗れて宇治で切腹したものの、
それがきっかけで木曾義仲と源頼朝の旗挙げを促し、
その結果、平家の壇ノ浦での滅亡に導いたことは、
どなたもご存知でしょう。
ところがその時、歌も堪能だった文武両道の頼政は、
高い官位を得て、すでに出家していました。
それなのに、どうして子供たち共々挙兵したのか。
いや、しなくてはならなかったのか?
『平家物語』などを始めとして、
実にさまざまな理由が巷間流れていますが、
いずれも納得できるものではありません。
その謎に、崇たちがチャレンジします。
それに絡んで(間狂言のようにして)
木曾義仲のエピソードにも触れています。
なんとなくどこかで見た風景かも知れませんが、
それは読んでからのお楽しみということで。
そして3人は、京都・頼政塚で起こった
殺人事件を追って、下関まで足を伸ばします。
赤間神宮です。
赤間神宮といえば、もちろん安徳天皇です。
崇たちは、安徳天皇の謎に挑みますが、
それが意外なことに…………。
ということで、ぜひまた崇たちとご一緒に、
歴史探究の旅に(こんな時期、書物の中だけでも)
おつき合いいただければ幸いです。