ESSAY
『采女の怨霊─小余綾俊輔の不在講義』
11月20日に新潮社より、書き下ろし新刊、
『采女の怨霊―小余綾俊輔の不在講義』
が上梓されました。
采女って何? と思われた方も大丈夫です。
加藤橙子が基礎の基礎から調べてくれます(^^)
実は、本作の舞台となる奈良、
猿沢池に鎮座する「采女神社」は、
ぼくが今までに見てきた中でも
1、2位を争うほど奇妙な神社でした。
この社は春日大社末社なのですが、
創建時のエピソードも、毎年の例祭に関しても、
橙子が頭を抱えるほど、とにかく謎だらけです。
その謎を橙子と、大学の歴史研究室助手の
堀越誠也が追います。例の凸凹コンビです(笑)
そのついでに(?)あろうことか、
「壬申の乱」にまで手を伸ばします。
天智天皇亡き後、大友皇子と大海人皇子(天武天皇)
との間で繰り広げられた、
古代日本史上最大の争乱です。
この争いも実に謎が多く、
戦前は教科書から削除されてしまったといいます。
(削除するということ自体も不審です)
それにしても「采女神社」と「壬申の乱」が、
どこでどう関係してくるのか。
正直に告白しますと、
ぼくもずっと分かりませんでした(笑)
しかしある日、突然に気がついたのです。
もしかすると、
奈良公園の鹿が教えてくれたのかも知れません。
(これは決して冗談ではありません)
ついでに宣伝しておきますと、
来年上梓予定の「QED」では、
その「鹿」を追います。
「最近は『鹿』に取りつかれていませんか?」
と、担当さんにも言われました。
でも、こうなったら徹底的に「鹿」も追いかけます。
そして最後は小余綾俊輔によって、
「采女神社」と「壬申の乱」にまつわる
全ての謎が解決されてゆきます。
例によって橙子や誠也が国内を巡りますので、
なかなか旅行しづらいこんな時、
みなさまも、彼らと一緒に
さまざまな場所に足を運び、
謎解きにチャレンジしていただければ幸いです。